目次
問題形式に慣れる
準1級からは、いよいよ「エッセイ」感が強まり、構成も「イントロ・ボディ1・ボディ2・結論」形式がマストになります。 120~150語となっていますが、極力150語で練習をしておきましょう。
過去問のお題で難易度をつかむ
問題の難易度に慣れるためには、何といってもまず、過去問を実際に解いてみるのが一番です。まずは24年第1回の問題を分析してみましょう。
In urban areas, should the government encourage vacant land to be used for farming?
都市部では、政府は空き地を農業に利用することを奨励すべきでしょうか?
観点:Costs, Pollution, Population, Technology
問題分析:
都市化が進む中、空き地の活用は環境や経済、社会的影響を伴う重要なテーマであり、特に都市の持続可能な発展に関連しています。
1. Costs(費用)
インフラ整備や補助金などのコストがかかります。都市部では土地の価格が高いため、農業用に土地を使うことが経済的に効率的かどうかも問題となります。また、農業に必要な設備や技術への投資も費用に含まれます。
2. Pollution(汚染)
都市部での農業は、持続可能な環境作りに貢献する可能性があります。例えば、都市農業は地元で生産された食品を提供することで、輸送に伴う二酸化炭素の排出を削減できます。しかし、都市の空気汚染や水質問題が農作物に影響を与える可能性もあり、これが農業にとっての課題になるでしょう。
3. Population(人口)
都市部の人口密度は高く、空き地をどう使うかは多くの人に影響します。農業に空き地を利用することで、地域の食料供給を強化したり、コミュニティスペースを提供することが可能です。一方で、住宅や商業スペースの不足に直面する都市部では、農業に土地を割り当てることが最適かどうかは議論の余地があります。
4. Technology(技術)
現代の技術は、都市農業をより効率的で持続可能なものにする可能性を秘めています。水耕栽培や垂直農法、ドローン技術の利用などが挙げられます。これにより、限られた土地でも高い収穫量を得ることができるかもしれません。しかし、技術の導入には初期費用や維持費がかかるため、そのバランスをどう取るかが課題です。
全体として、都市部での農業推進はコスト、環境影響、人口の需要、そして技術革新など複数の要因を考慮に入れる必要があります。それぞれの観点が相互に影響し合うため、慎重な政策判断が求められます。
観点毎に「自分が使えるキーワード」を確認・整理する
以下の観点ごとのキーワードに目を通し、「あ、これなら書けそうだ」「これが気に入った」というものをいくつかピックアップしてみましょう。
Costs
- Initial investment – 初期投資
- Maintenance costs – 維持費
- Subsidies – 補助金
- Financial burden – 財政負担
- Infrastructure costs – インフラ整備費
- Long-term benefits – 長期的な利益
- Cost reduction – コスト削減
Pollution
- Carbon footprint – 炭素排出量
- Air quality improvement – 空気質の改善
- Soil contamination – 土壌汚染
- Waste management – 廃棄物処理
- Sustainable farming practices – 持続可能な農業手法
- Reduction of greenhouse gases – 温室効果ガスの削減
- Environmental impact – 環境への影響
Population
- Population density – 人口密度
- Community engagement – コミュニティの関与
- Food security – 食料安全保障
- Job creation – 雇用創出
- Aging population – 高齢化人口
- Public health benefits – 公衆衛生上の利益
- Local consumption – 地元消費
Technology
- Smart farming – スマート農業
- Hydroponics – 水耕栽培
- Vertical farming – 垂直農法
- Automation – 自動化
- Drones for monitoring – ドローンによる監視
- Irrigation systems – 灌漑システム
- Data-driven agriculture – データ駆動型農業
サンプル解答の「型」で学ぶ
英作文対策初期は、頭が真っ白になるという生徒さんも多いですが、それで問題ありません。
サンプル解答をたくさん読んで「定番の構成・トピック毎の論理展開・キーワード」に慣れていけばいいや、ぐらいの気持ちで取り組みましょう。
サンプル解答の読み方
- 構成(イントロ・ボディ1・ボディ2・結論)を意識しながら音読しましょう
- つなぎ言葉を意識しながら読み、自分のお気に入りを見つけましょう
- 段落の1文目は「トピックセンテンス」です。
トピックセンテンス =その段落で一番言いたい事
賛成意見:
In urban areas, I believe the government should encourage vacant land to be used for farming. This approach can have several benefits for both the environment and society.
First, using vacant land for farming can help reduce pollution. Many cities struggle with air pollution caused by cars and factories. Plants absorb carbon dioxide and release oxygen, which can improve air quality. Additionally, local farming reduces the need for long-distance transportation of food, lowering greenhouse gas emissions.
Furthermore, advancements in technology make urban farming more efficient. For example, vertical farming and hydroponics allow crops to be grown in small spaces. These technologies enable farmers to produce more food with fewer resources, which is crucial in densely populated areas.
In conclusion, promoting farming on vacant urban land can help reduce pollution and take advantage of modern agricultural technology. The government should encourage this practice for a healthier environment and more sustainable cities. (150 words)
賛成意見日本語訳:
都市部において、政府は空き地を農業に利用することを奨励すべきだと考える。このアプローチは、環境と社会の双方に多くの利点をもたらす可能性がある。
まず、空き地を農業に利用することで、汚染の軽減に貢献できる。多くの都市では、自動車や工場が原因の大気汚染に苦しんでいる。植物は二酸化炭素を吸収し、酸素を放出するため、空気の質が改善される可能性がある。また、地元での農業は食品の長距離輸送の必要性を減らし、温室効果ガスの排出を抑制することができる。
さらに、技術の進歩により都市農業はより効率的になっている。例えば、垂直農法や水耕栽培は、狭いスペースでも作物を育てることが可能である。これらの技術により、限られた資源で多くの食料を生産でき、人口密度の高い地域では特に重要な役割を果たす。
結論として、都市の空き地での農業を奨励することは、汚染の軽減に寄与し、現代の農業技術を活用することができる。政府は、より健康的で持続可能な都市の実現のために、この実践を奨励すべきである。
反対意見:
In urban areas, I believe the government should not encourage vacant land to be used for farming. There are more pressing issues that need to be addressed in cities.
First, the cost of turning vacant land into farmland can be quite high. Urban land is expensive, and preparing it for farming may require significant investment in soil improvement and infrastructure. It would be more efficient to use this land for housing or commercial purposes, which can generate higher economic benefits for the community.
Second, urban populations are growing rapidly, and space is becoming limited. Vacant land should be used to accommodate the increasing population by building new homes and facilities. Farming may not be the best use of space in densely populated areas where land is in high demand.
In conclusion, while urban farming has some benefits, the high costs and need for space make it impractical in many cases. (150 words)
反対意見日本語訳:
都市部において、政府は空き地を農業に利用することを奨励すべきではないと考える。都市には、対処すべきより差し迫った問題が存在する。
まず、空き地を農地に変えるためのコストが非常に高い場合がある。都市の土地は高価であり、農業に適した状態にするためには、土壌改良やインフラ整備に多大な投資が必要となるかもしれない。この土地を住宅や商業目的に使用する方が、地域社会にとってより高い経済的利益を生む効率的な利用法である。
次に、都市部の人口は急速に増加しており、スペースは限られてきている。空き地は、新しい住宅や施設を建設し、増加する人口を収容するために利用されるべきである。土地の需要が高い人口密集地域では、農業が最適な利用法とは言えないかもしれない。
結論として、都市農業には一定の利点があるものの、高コストや空間の必要性から、実際には多くの場合非現実的である。
まとめ
今回はまず、過去問の難易度・エッセイの構成・つなぎ言葉・トピックセンテンスを中心に学びました。必ず、音読し、雰囲気を押さえておきましょう。
それでは次回の記事もお楽しみに 🙂
最後までお読みいただき有難うございました!!
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