英検2級のライティングは2題あります。そのうちの1題が、2024年度に加わった英文要約です。英文を読んで、45〜55語にまとめます。
「どこを残すか」で迷う——という声をよく聞きます。ただ、施行された回を並べてみると、読む英文も、書く解答も、毎回ほとんど同じ形をしていました。形が決まっているなら、当日に決めることは減らせます。この記事では、4つのステップと、削るものの決め方をまとめます。書きながら手が止まる人は、先に英検2級 要約の言い換えリストを開いておくと進みが早くなります。
まず語数。45〜55語の「上」を狙う
指示文が求めているのは45〜55語です。この幅は施行されたどの回でも変わっていません。ここで多くの人がつまずくのは、「45語書けば条件は満たす」と考えてしまうところです。
公式の解答例を数えると、平均は52.4語。上限の55語のほうに張り付いています。45語ちょうどで出してくる回はほとんどありません。つまり狙うのは50語台です。
| 項目 | 数字 | これは何の数字か |
|---|---|---|
| 書く解答の語数 | 45〜55語 | 問題冊子の指示文にある公式の指定。施行されたどの回も同じ |
| 公式解答例の平均 | 52.4語 | 公式解答例を数えた実測。狙う位置の目安 |
| 読む英文の語数 | 144〜160語 | 公式の規定は無く、実測のみ |
| 読む英文の段落数 | 3段落 | 実測。例外は出ていない |
| 採点の観点 | 4つ | 内容(論旨カバー)/構成/語彙/文法 |
なぜ上限寄りなのか、書いてみるとすぐ分かります。この問題は拾うべき要点が4つ(良い点2つ・良くない点2つ)あり、そこに話題の1文が加わります。45語に収めようとすると、たいてい最後の1つが入りません。語数を削った結果、内容の観点で落ちる——これがいちばんもったいない失点です。
もうひとつ、採点で押さえておくことがあります。採点は内容・構成・語彙・文法の4観点ですが、その手前に条件があります。要約になっていないと判断されると0点——これは問題冊子の指示文に書かれています。語数や文法より先に、「要約の形になっているか」が見られる、ということです。
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読む英文は毎回3段落。骨は読む前から分かっている
2級の要約で読まされる英文は、3段落です。しかも、それぞれの段落の役割まで決まっています。
| 段落 | 中身 | 目印 |
|---|---|---|
| 第1段落 | 話題の提示。「〜する人が増えた」と現象を置くだけ。良し悪しには触れない | — |
| 第2段落 | 良い点が2つ | 問いかけ、または「これには良い面がある」と言い切る文で始まる |
| 第3段落 | 良くない点が2つ | 逆接から入る(However, または On the other hand,) |
ここが要約問題のいちばん助かるところです。本文を読み始める前から、「良い点2つ・良くない点2つ」が入っていると分かっている。探すものが決まっているので、拾う作業になります。
第3段落のあたまの逆接(However, / On the other hand,)に、読みながら印をつけてください。そこから後ろが「良くない点」です。この1か所に印をつけるだけで、原文は前半と後半にきれいに割れます。
第2段落のあたまも見分けやすい形をしています。「これにはどんな利点があるのか」と読者に問いかける文か、「これには良い面がある」と言い切る文のどちらかで始まります。どちらであっても、その直後から良い点が2つ並ぶ、という中身は変わりません。
題材にも幅があります。これまでに出ているのは、大学生・社会人・消費者が関わる、賛否の分かれる身近な選択です。オンライン授業や働き方、買い物のしかたといった話題が中心で、専門的な科学の話は出ていません。知らない分野の英文に当たる心配は、あまりしなくて大丈夫です。
そして解答の側は1段落・3〜4文。原文の1段落が、解答の1文になります。約150語を50語台に押し込むのですから、残せるのはおよそ3分の1です。写して間に合う量ではありません。
第1段落(話題) → 第1文(話題を言い直す)
第2段落(良い点2つ) → 第2文(2つを and で1文に)
第3段落(良くない点2つ)→ 第3文(However, で切り返す)
(入りきらなければ第4文を Also, で足す)
4ステップで書く
手順は4つです。いきなり完成形を書こうとしないのがコツで、順番に通したほうが速く終わります。
| ステップ | やること | この時点の出来 |
|---|---|---|
| ① 段落ごとに1文 | 各段落から、要点だけを英語の短い文にする | ばらばらの3文 |
| ② つなぐ | 3文を1段落に並べ、第3文のあたまに However, を置く | 形は要約、語数はまだ足りない |
| ③ 言い換える | 写した言い回しを、自分の語に置き換える | 写しが消える |
| ④ 語数を合わせる | 50語台になるまで足す、または削る | 完成 |
① 段落ごとに1文にする
ここでは英語の出来を気にしません。各段落から「使う情報」を選ぶのが仕事です。第2段落と第3段落は2つずつ拾います。例として、「大学が電子教科書を使うようになった」という題材で書いてみます。
拾うときは、原文の余白に4つ番号を振るやり方が速いです。良い点に1と2、良くない点に3と4。番号が4つそろっていれば、あとは英語にするだけになります。ここで拾い残すと、後ろの工程では取り返せません。時間をかけるならこのステップです。
第1段落 → Some universities now ask students to use digital textbooks. 第2段落 → Students can carry many books on one device, and the files are cheap. 第3段落 → Some students cannot concentrate well, and devices break easily.
② つなぐ
3文を1段落に並べます。第3文のあたまに However, を置くだけで、要約の形になります。公式の解答例は、良くない点に移るときに毎回この語を使っています。
Some universities now ask students to use digital textbooks. Students can carry many books on one device, and the files are cheap. However, some students cannot concentrate well, and devices break easily.
この時点で32語。形はもうできていますが、20語ほど足りません。足りないのは当たり前で、ここから③と④で埋めます。
③ 言い換える
本文の言い回しをそのまま使っている場所を、自分の語に置き換えます。言い換えは「難しい単語に変える」ことではありません。短くまとめる、あるいは一段かたい言い方に寄せる、という向きです。
| ばらばらに書いた形 | 言い換えた形 | 効き目 |
|---|---|---|
| carry many books on one device | keep many books on a single device | 写しが消える |
| the files are cheap | the files usually cost much less | 語数が伸びる/かたくなる |
| cannot concentrate well | have trouble concentrating | 写しが消える |
| buses, trains and taxis | public transportation | 大きく縮む |
④ 語数を合わせる
最後に50語台へ寄せます。足すときは、すでに書いた情報に条件や理由を足すのが安全です。新しい話題を持ってくると、原文に無い内容になってしまいます。
Some universities now ask students to use digital textbooks instead of printed ones. Learners can keep many books on a single device, and the files usually cost much less. However, some students have trouble concentrating on a small screen for long periods. Also, cheap devices break easily, and repairs can be expensive.(52 words)
4文になりました。良くない点が2つあって1文に収まらないときは、2つ目を Also, で足して4文にします。3文でも4文でも構いません。決めるのは語数のほうです。
書いてはいけないもの
公式の解答例が一度もやっていないことがあります。裏を返せば、これをやると「要約になっていない」に近づきます。
- 自分の意見・結論——
I thinkIn conclusionThereforeは、公式解答例に1つも出てきません。意見を書くのは、ライティングのもう1題のほうです。2題の型を混ぜないでください - 段落を分ける——解答は1段落です。改行しません
- 原文に無い具体例や数字を足す——語数を稼ぐために付け足すと、要約ではなくなります
- 良い点を2文に割る——2文使うと、良くない点を書く語数が残りません
- 原文の文をそのまま並べる——語数も減らず、言い換えの評価も上がりません
いちばん多いのは1つ目です。意見論述の練習を積んだ人ほど、最後に I think this is a good change. と足したくなります。要約では、その1文が加点になりません。書き終えたら、自分の意見が混ざっていないかだけ見てください。
語数が合わないときの直し方
足りないとき
まず、拾い残しを疑ってください。良い点2つ・良くない点2つ、合わせて4つが入っていますか。40語前後で止まる原稿は、たいてい第3段落の2つ目が抜けています。
- 4つそろっているか数える——抜けていたら足す。これがいちばん確実で、内容の評価も上がります
- 比べる相手を戻す——
cost much lessをcost much less than printed textbooksにする。原文にある情報なので安全に伸びます - 条件を足す——
for long periodsin classのように、いつ・どこでを1つ足す
多すぎるとき
削る順番は決まっています。上から順に落としてください。
- 数字・固有名・具体例——要約ではほぼ全部落とせます。並んでいる具体例は1語にまとめます
- 同じことの言い直し——原文は同じ主張を2通りで書くことがあります。要約では1回で足ります
- 動詞のかたまりを名詞にする——
They educate children.をeducationにすると、and で並べやすくなります - 接続詞でつなぐ——2文を
andやbecauseで1文にすると、主語のくり返しが消えます
逆に、削ってはいけないものもあります。良い点・良くない点は、それぞれ2つで1組です。語数が苦しいからと第3段落を丸ごと落とすと、論旨をまとめたことになりません。削るのは飾りからで、骨からではない——この順番だけ守ってください。
練習問題で仕上げる
型を短く言うと、「3段落を3〜4文に。良い点は and で1文」です。あとは同じ形の英文で手を動かすだけで、当日に迷う場所はほとんど無くなります。
- 英検2級 要約問題の練習問題(11本)——原文・解答例・言い換えリストつき
- 英検2級 要約の言い換え——写さずに短くするための型と語のリスト
- 生成AIを題材にした要約の練習——1本通してやってみる回
- 2024年度のリニューアルで何が変わったか——要約が加わった経緯
- ひとつ上の級(準1級)の要約の書き方——先を見ておきたい方へ
- 英検2級のまとめページ——ほかの大問はこちらから
最後までお読みいただき、有難うございました。
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