英検ライティングで減点される10パターン|級を問わず共通の落とし穴

英検ライティングの減点を2種類に分けた図。左に0点と指示文に書かれている3つ(設問に答えているか、相手のメールに答えているか、要約になっているか)、右に観点ごとに採点されるもの(内容・構成・語彙・文法)を並べ、残り7つのパターンは右側で削られることを示している。
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英検のライティングで点を落とす場所は、級が違ってもだいたい同じところです。この記事では、級を問わず共通の落とし穴を10個にまとめました。3級から1級まで、書く長さは違っても、見られている場所は驚くほど似ています。

先に、いちばん大事なことを1つ。「減点」には2種類あって、この2つは重さがまったく違います。ここを分けずに「全部やらかしたら終わり」と思い込むと、当日いちばん守るべきものを守れません。

減点には2種類ある——0点になるものと、観点ごとに削られるもの

英検の問題冊子の指示文には、「こうなった場合は0点」と書かれている条件があります。逆に言えば、そこに書かれていないものは0点の条件ではありません。採点は観点ごとに行われるので、型を外した分だけ、その観点の評価が下がるという形になります。

10個のパターンを、この2種類に分けて並べます。上の3つは指示文に「0点」と明記されているもの、残り7つは観点ごとの採点で不利になるものです。ただし7番目(語数)だけは例外で、要約問題に限り0点になったという報告が出ています。詳しくは該当箇所で触れます。

#やってしまうこと重さ
1設問(QUESTION / TOPIC)に答えていない0点と明記
2相手のメールの質問に答えていない(Eメール問題)0点と明記
3要約に自分の意見を書く要約と認められなければ0点
4要約が原文の写し取りになっている観点で不利
5理由の数が指定と違う観点で不利
6POINTSを使わない/4つ全部に触る(準1級)観点で不利
7語数の目安から大きく外れる観点で不利(要約は0点報告あり)
8段落を分けていない観点で不利(構成)
9同じ語をくり返している観点で不利(語彙)
10結論で新しい理由を出す観点で不利(構成)
「◯点引かれる」という数字は公式に示されていないので、この記事では書きません。

時間が足りないときに何を捨てるか、という判断もここから決まります。上の3つだけは、何があっても守る。下の7つは、直せるところから直す。優先順位はそれだけです。

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0点になりうるのは、この3つだけ

1. 設問(QUESTION / TOPIC)に答えていない

英作文の指示文には、QUESTIONに対応していないと判断された場合は0点と書かれています(3級・準2級とも同じ)。英語が上手かどうかより先に、「聞かれたことに答えているか」が見られているということです。

よくあるのは、話題は合っているのに、賛成なのか反対なのかを言っていないという形です。たとえば「学校でクラブ活動に入るべきだと思いますか」と聞かれて、こう書いてしまう。

答えになっていない書き出し
Many students are very busy after school, and some clubs practice every day.

クラブの話はしていますが、自分の立場がありません。1文目で立場を言い切るだけで、この落とし穴は消えます。

直した書き出し
I think students should join a club at school.

設問が「Do you like …?」なら Yes / No を、「Should …?」なら should / should not を、設問と同じことばを使って1文目に置きます。設問の語をそのまま借りると、対応していることが読み手に一目で伝わります。

2. 相手のメールの質問に答えていない(Eメール問題)

3級と準2級のEメール問題は、相手のメールに書かれた質問に答えるのが本体です。3級では「下線部の質問2つに必ず答える」と決まっていて、対応に不備があると0点になります。準2級も同じく、相手のメールの内容に対応していないと0点になる場合があります。

ただし、下線部の役割が3級と準2級で逆です。3級の下線部は「答える対象」ですが、準2級の下線部はこちらから具体的な質問を2つたずねる対象で、答えるほうは相手からの質問1つ。準2級で下線部に答えようとすると、そこで手が止まります。

ありがちなのは、感想だけ書いて質問を素通りしてしまう形です。ここからの例は3級のEメール問題で見ていきます。

質問に触れていない返信
That sounds really fun. I hope you have a good time this weekend.

感じのよい文ですが、これでは相手の質問に何も答えていません。相手が「いつ行ったの?」「何日いたの?」と2つ聞いているなら、その2つに1文ずつ返します。

2つとも答えた返信
I went there with my family last spring. We stayed in the town for three days.

3級なら、下線部の質問2つに印をつけてから書き始めるというだけで防げます。書き終えたら、印が2つとも消し込めているかを見る。順番は後回しでよく、答えが入っているかどうかがすべてです。

準2級は、印をつける先が2種類あります。答えるのは相手の質問、下線部はこちらからたずねる材料——この2つを分けて数えると、必須の要件を落とさずにすみます。

級ごとの書き方は、3級なら英検3級 Eメール問題の書き方、準2級なら英検準2級 Eメール問題の書き方にまとめてあります。

3. 要約に自分の意見を書く

要約問題は、解答が要約になっていないと判断されると0点と指示文に書かれています。そして「要約になっていない」と見なされる代表格が、自分の意見を足すことです。

2級の公式解答例7本を並べると、I think In conclusion Therefore1本も使われていません。要約に意見の型を持ち込むと、要約ではなく意見文として読まれてしまいます。

意見が混ざった終わり方
However, some people worry about the cost. I think this plan is good for our city.

原文の話だけで終える
However, some people worry about the cost of the plan.

要約でやることは、原文にある話を短く並べ直すことだけです。原文に書かれていないことは、良いことも悪いことも書かない。まとめの1文を足したくなりますが、それも自分の声なので置きません。

型を外すもの——写し取り・理由の数・POINTS・結論

ここからの7つは0点の条件ではありません。ただし採点は観点ごとに行われるので、外した観点の評価が下がります。まずは「型」に関わる4つから。

4. 要約が原文の写し取りになっている

原文の文を順につないだだけの解答は、語数も減らず、言い換えたことにもなりません。準1級の模範解答を見ると、言い換えの方向がはっきりしています——原文より一段かたく、短く。易しく言い換える必要はありません。

原文  Many schools now let students bring their own computers to class.
写し  Many schools now let students bring their own computers to class.
要約  More schools allow students to use personal computers in lessons.

手は3つです。動詞のかたまりを名詞にする(checked every month → monthly checks)、2文を関係詞や分詞で1文にする具体例をまとめて上の言い方にする。逆に、その回のテーマそのものを指す専門語は、言い換えると意味がぼやけるので、そのまま使って構いません。

級ごとの手順は、2級は英検2級 要約の言い換え、準1級は英検準1級 要約問題のコツが近道です。

5. 理由の数が指定と違う

意見論述の指示文は、理由をいくつ書くかを数で指定してきます。準2級プラスは「理由を2つ」、1級は「THREE reasons」で3つ。ここは好みではなく指定なので、数が合っていないと構成の観点で不利になります。

本番でずれるのは、たいてい次の2つの形です。

  • 理由が足りない——1つ目を厚く書きすぎて、2つ目に届かないまま時間切れになる
  • 理由が多すぎる——思いついた順に3つ4つ並べて、1つずつが薄くなる

対策は単純で、書き始める前に理由の数だけ枠を作ることです。指定が2つなら First,Second, を先に書いてしまう。3つなら Finally, まで置いてから中身を埋めます。枠が空いていれば、時間配分の間違いにすぐ気づけます。

6. POINTSを使わない/4つ全部に触る(準1級)

準1級の意見論述では、TOPICと一緒にPOINTS(観点のことば)が4つ示され、そのうち2つを使うように指定されます。ここでの外し方は2通りあります。

1つは、POINTSをまったく無視して自分の理由だけで書いてしまうこと。もう1つは、4つ全部に触ろうとして、1つずつが1文で終わってしまうことです。後者は書いている本人が「たくさん盛り込めた」と感じやすい分、やっかいです。

使うのは2つだけ。選んだ2つを、それぞれ理由の柱として厚く書くのが指示どおりの形です。準1級の英作文の組み立ては英検準1級 英作文の書き方にまとめてあります。

10. 結論で新しい理由を出す

番号は最後ですが、型の話なのでここに置きます。1級の意見論述はintroduction / main body / conclusionの構成が指定されていて、公式サンプルの結論は3つの理由を別の表現で言い換えて総括する段落になっています。新しい材料は出てきません。

ところが本番では、書いているうちに「もう1つ思いついた」となりがちです。それを結論に入れると、結論が4つ目の理由の置き場になり、まとまりが消えます

結論に書いてよいのは2つだけです。立場をもう一度言うことと、すでに書いた理由を別のことばで言い直すこと。同じ語をそのまま繰り返すのではなく、言い換えて締めます。1級の書き方は英検1級 英作文の書き方をどうぞ。

見た目とことばづかい——語数・段落・語の重複

7. 語数の目安から大きく外れる

3級・準2級のライティングは、語数が指示文に「目安」として示されます。大きく足りない解答は、そもそも指定された中身が入りきりません。3級の英作文なら、意見と理由2つを25〜35語で書きます。まず、足りない例から。

語数が足りない解答(16 words)
Yes, I like to read books at home. It is fun and I have many books.

意見は言えていますが、理由が1つで、しかも「楽しいから」だけ。語数が足りないというより、語数が足りないせいで中身が入っていない状態です。理由を2つに割って、それぞれ具体を1つ足すと自然に届きます。

指定に収まった解答(31 words)
Yes, I like to read books at home. First, my room is quiet, so I can enjoy long stories. Second, books are cheaper than movies, and I can read them again.

逆に、上限を大きく超えるのも別の問題を呼びます。時間を使い切ってしまい、見直しができません。狙うのは指定レンジの真ん中から上。下限すれすれは、数え間違いが1回あるだけで足りなくなります。

準2級プラス以上の要約問題は、2025年度から指示文が「〜語で要約しなさい」というより明確な指定に変わっており、目安として緩やかに捉えることはできなくなっています。2026年には、要約問題で語数がレンジから外れて0点になったという報告がSNS上で相次ぎました。正確な採点基準は公表されていませんが、要約問題は「目安だから多少ずれても大丈夫」とは考えず、レンジ内に収めることを最優先にしてください。語数の直し方は英検ライティング|語数が足りない・多すぎるときの直し方にまとめてあります。

級ごとの語数を一覧にします。1題目と2題目で長さが違うので、自分の級の行だけ覚えれば十分です。

1題目2題目
3級Eメール 15〜25語英作文 25〜35語
準2級Eメール 40〜50語英作文 50〜60語
準2級プラス要約 25〜35語英作文 50〜60語
2級要約 45〜55語英作文 80〜100語
準1級要約 60〜70語英作文 120〜150語
1級要約 90〜110語英作文 200〜240語
1題目が「Eメール」から「要約」に変わるのは準2級プラスから。2024年度の形式変更については英検2024年度リニューアルで何が変わったかにまとめてあります。

数える手間を減らすコツもあります。ふだんの練習で「自分の1行はだいたい何語か」を測っておくこと。1行10語で書く癖がついていれば、3行書いた時点でおよそ30語だとわかります。当日は1語ずつ数えずに済みます。

8. 段落を分けていない

意見論述の採点には「構成」の観点があります。2級の要約は内容・構成・語彙・文法の4観点、準1級と1級の意見論述はTOPIC対応・内容・構成・語彙・文法の5観点です。構成が観点として立っている以上、読み手が形を追えるかどうかは評価に関わります。

ここで注意したいのは、長い級と短い級で正解が逆になることです。

  • 準1級・1級の意見論述——introduction / main body / conclusion が指定されているので、段落で分ける
  • 要約——短く、原文の流れをそのままなぞるので、分けずに続けて書くのが公式解答例の形

つまり「とりあえず段落を分ける」も「ずっと続けて書く」も、どちらも正解ではありません。自分が受ける級の、その1題がどちらなのかだけ確かめておきます。

9. 同じ語をくり返している

採点観点には「語彙」も入っています。同じ語が何度も出てくると、その観点で不利になります。とくに出やすいのが、good / important / people / think のような便利な語です。

同じ語が3回出ている
Reading is good for children. It is also good for adults, and good for old people.

言い換えた形
Reading is good for children. It also helps adults, and it keeps older readers active.

難しい語に置き換える必要はありません。形を変えるだけでも重複は減ります。形容詞を動詞にする(is good for → helps)、名詞を別の名詞にする(people → readers)。この2つで、たいていの繰り返しは消えます。

準備としては、自分がよく使う語を3つだけ決めて、その言い換えを2つずつ用意しておくのが効きます。全部を覚え直すのではなく、自分の癖のある語だけを手当てします。

提出前の10項目チェックリスト

書き終えてから見直す順に並べ替えました。上の3つは、時間がなくてもここだけは見るという順番です。

  1. 1文目で、設問への立場を言い切っているか
  2. (Eメール問題)相手の質問に、1つずつ答えが返っているか。準2級は、こちらからたずねる質問2つも入っているか
  3. (要約)自分の意見・まとめの1文が混ざっていないか
  4. (要約)原文の文をそのまま並べただけになっていないか
  5. 理由の数が、指示された数と合っているか
  6. (準1級)POINTSを2つ選び、その2つで書いているか
  7. 語数が指定レンジの中で、真ん中から上に入っているか
  8. 段落の分け方が、その1題の形に合っているか
  9. 3回以上出てきた語がないか
  10. 結論に、新しい理由が紛れ込んでいないか

10項目もあると本番では回りません。ふだんの練習で1〜10を通しでやり、当日は1・2・3だけを見る——この使い分けが現実的です。練習のうちに直った項目は、当日は自然にできています。

級別の書き方へ

10パターンを短くまとめます。0点になりうるのは、設問に答えていない・相手のメールに答えていない・要約になっていない、の3つだけ。残りは観点ごとの採点で削られるものです。

ここから先は、自分の級の型を1つずつ入れていくのが早道です。

出題形式そのものを確かめたいときは英検の出題形式を、2024年度に何が変わったのかは英検2024年度リニューアルで何が変わったかをどうぞ。級全体の対策は英検3級英検準2級英検2級英検準1級英検1級のまとめページにそろえてあります。

最後までお読みいただき、有難うございました。

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